BURAIなやつら 流浪の王女/あまね翠

本の感想, 作者名 あ行あまね翠

神の国とあがめられ繁栄を続けていたシルディーヌ神王国だが、突如隣国の侵略を受け、王都は陥落する。王家の秘宝と共に何とか落ち延びた王女ルティアナは、国を奪回するための助力を得るために叔母が嫁いだルクレチオ王国を目指す。彼女の旅のお供は凄腕の傭兵と、美しい者なら何でも好きな妙な男で……


亡国の王女様が国を奪回するために男装して旅をする……、これだけですごく好み。国の陥落から旅立ち、そして立ち寄った先での世直しとお決まりといえばお決まりの展開で話が進んでいきましたが、面白かったです。オーソドックスな王道展開万歳。

ルティアナの前向きで元気でおせっかいな性格が憎めないです。そして、普段やる気がないのにお金になると目の色が変わり大事なところでさりげない気遣いができる傭兵のグレイ、妙なお金持ち貴族の息子に、グレイをつけねらう傭兵集団と彼女の周りも一癖も二癖もある人物がたくさん。

序盤の落城シーンでは予想できないような割と軽いノリの中盤以降についていけるかが楽しめるかどうかの鍵でしょうかね。何で亡国の王女様で無頼なんてタイトル……、と思っていたら世直しを読んで納得。確かにやっていることは無頼。すかっと決まって気持ちよかったですけどね。

あとひとつ突っ込みたいのはイラスト。基本的にイラストはあってればいいなぁ程度の期待で臨んでいるんで、いつもそんなに気にならないといえばならないのですが(苦手とかはありますが)。最初のイラスト、本文では短剣となっているのにどう見ても長剣なのには異議ありです。ぶーぶー。

imgBURAIなやつら
あまね翠/遠藤海成(イラスト)
ISBN : 978-4-09-452015-6
小学館ルルル文庫
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