光の精煉師ディオン 初任務は秘密の修行 / 村田栞

本の感想, 作者名 ま行村田栞

アッシュとフェルナンドと共に無事に”蒼い鷹”に入隊を果たしたディオン。勉強のためにフェルナンドと名門精煉師学校ムセイオンで研修を受けることになる。学校ではディオンをなぜか敵視する兄弟と”学園の五不思議”解明競争を繰り広げることに。この学園の五不思議はどうやらムセイオンの秘密が絡んでいるようで……。


シリーズ2冊目はディオンとフェルナンドのドキドキ学園生活でした。

ディオン父の消息や、過去の戦争の傷跡、そして前巻でディオンに降りかかった災難のある意味のもう1人の被害者、そして黒雷獣の復活をたくらむあからさまに怪しい団体などと物語も深みを増してきました。ディオンのとにかく前向きないい人っぷりと、自称腹黒のフェルナンドのコンビもいい味を出してきました。二人とも努力を惜しまず夢に向かってるので純粋に応援したくなります。み、見習わねば……(もう遅い?)。アッシュのお母さんお姉さん振りも読んでいて和むなぁ。キース中将とカイルのコンビも人気ありそうだなぁ、いや、好きですが。個人的には紅一点のジェイダ姐さんを応援中。

この物語、個人的にはお気に入りなんですが若干甘いなぁとかもうちょっとだなぁと思うところがあるのも事実です。カタカナ語が結構登場するので、ファンタジー世界でカタカナ語は許せん!というタイプならまずダメかなぁ(私も基本的には苦手だけど、これはなんか大丈夫)。しかし、キースの過去やディオン父の救出作戦が本格化したら甘さはなくなるような予感。

新たな隊員が増えた蒼い鷹(しかし、トップのキースさんはメンバーが増える事に眉間にしわが寄りそうで不憫だ)の今後の動向が気になります。

img光の精煉師ディオン 初任務は秘密の修行
村田栞/岩崎美奈子(イラスト)
ISBN:978-4-04-451006-0
角川ビーンズ文庫(2007.08)
bk1/amazon/boople