ダナーク魔法村はしあわせ日和~愛しのマリエラ~/ 響野夏菜

本の感想, 作者名 は行響野夏菜

ビーが体調を崩して寝込んでいるという話を聞きつけたイズーは、見舞いの品を持って家路を急いでいた。そんな彼に箒に乗って突進してきたのはビーとそっくりな暴走魔法少女マリエラ。フランの娘だと主張するマリエラを連れて家に帰るイズーだが、”妹”の登場にビーはどこか浮かない様子で……


ダナーク魔法村第4巻。今までほのめかされる程度のビーの背負っているものや、ビーの母親・フランの村での立場が明かされたお話でした。

今回は、もうなんていうからぶ最高っ!な展開でした。何のかんの言いながらもビーへの気持ちを持てあまし、ビーに血迷いそうになるイズーが面白かったです。いくら必死に自分を押さえていたとしても、気付いていないのは当人だけというのも……、なんだかよいですなぁ。
”部外者だから”ということで詳しい事情を明かされていなかったイズーにようやく知らされた真実。ビーの抱えているものは想像以上にハードですが、それでもビーのことを受け止めようと決意し一歩踏み出したイズーはかっこよかったです。いつもはヒロインにしか見えないイズーでしたが(気絶したりしてましたからね……)今回はばっちりヒーローに見えましたよ。しかしながら、魔法におののきながらも立ち向かおうとするイズーの姿はかっこいいのですが、どこか笑えてしまいました。ごめんなさい。ツンデレ(後書き参照)が自覚して(今回は観念して、かな?)デレっとなるところはやはり最高ですなぁ。良いモノを読みました。

下地はそろったところで、イズーの因縁の対決も再開かな?続きがすごく楽しみです。今追いかけているコバルトのシリーズものの中で一・二を争うくらい楽しみ。
本編中でちょこちょこ語られているギャラントおいちゃんのお話等はたぶん本誌の短編ですよね。チェックもれしている短編がちらほらあるので、短編集でないかなぁ。

imgダナーク魔法村は今日もしあわせ日和 愛しのマリエラ
響野夏菜/祐龍ながれ(イラスト)
集英社コバルト文庫(2007.09)
ISBN:978-4-08-601070-2
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