Romeo×Juliet 赤き運命の出会い / 雨宮ひとみ

本の感想, 作者名 あ行雨宮ひとみ

とある理由から男として育てられた少女ジュリエットは、≪赤い疾風≫としてモンタギュー家と貴族の圧政に苦しむ市民を助ける日々を送っていた。16歳の誕生日を目前にしたある日、モンタギュー家が主催するパーティーに忍び込むことに成功したジュリエットは、そこで街で偶然であった貴族の息子・ロミオと再会し……


かのシェイクスピアの名作ロミオとジュリエットをアニメ化したものをノベライズした作品。若干細部は変更になっていたところはあるけれども、わりあいと忠実に再現されているのではないでしょうか、ウィリアムとか(笑)。残念ながらジュリエット一味の隠れ家はウィリアムの劇場じゃないんだけど、そのお陰でウィリアムの出番激減だけど、小説になっても変わらず存在感を醸し出す彼がお気に入りです……。出番もっとないかなぁ、ウィリアム。

古典を大胆にファンタジックに味付けしながらも(ネオ・ヴェローナは空に浮いているし、キャピレット家はモンタギュー家によってお取りつぶしにあってるし)、運命の恋の高鳴りというやつはばっちり押さえてあるので、嬉し恥ずかし初恋の二人に悶絶すること請け合い。アニメでも十分恥ずかしかったけれども、小説でも読んでいて恥ずかしいなぁ、これ。特に恋に落ちる場面なんて、その様子がよく伝わってきて思わず読み飛ばしたくなりました、初々しくて。
仇の息子に惚れてしまい、あまつさえ心を通わしてしまった少女の運命やいかに、というところで次巻に。

文章もかなり華やかな感じでして、物語にすごく合ってるように感じました。ノベライズといいつつ、アニメ未見でも十分対応できる内容(知らない方が邪念が入らないのでもしかしたら楽しめるかも?)。思わず読み飛ばしたくなるほどの初恋ラブを味わいたい方にオススメ、かもしれません。

imgRomeo×Juliet 赤き運命の出会い
雨宮ひとみ/COM(イラスト)
角川ビーンズ文庫(2007.09)
ISBN:978-4-04-453201-7
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