マギの魔法使い エメラルドは逃亡中! / 瑞山いつき

本の感想, 作者名 ま行瑞山いつき

偉大なる白魔女コーネリア・ノースウィッチを曾祖母にもつ見習い白魔女エメラルドは正体不明の一団に誘拐された。一団の目的はエメラルドが持つという”宝石”。そんなものに覚えのないエメラルドは、一団が山賊に襲われた隙に逃げだし、妙に愛想のよい農夫の青年と仏頂面の傭兵王に助けられる。彼らの助言に従い、街で旅の準備を整えていたエメラルドだが、件の山賊が再びエメラルドを狙ってきて……


スカーレットクロスの瑞山さんの最新作は、オズの魔法使いをベースにしたドタバタ冒険ものっぽいお話でした。魔女ッ子でとんがり帽子っ?と一瞬いろんな意味で引いてしまいましたが、ここで引かないで正解でした。おもしろかった~。

わんこ少年トト、謎の腹黒カカシ(元農夫)ウォレス、謎のぶっきらぼうブリキ(傭兵王)ハルベルト、若様ライオン・ラグナと周囲もばっちり固めてきています。傭兵王が何者かというのが一番気になりますね……。
年齢詐称白魔女見習いエメラルドのふてぶてしいとも言えるたくましいしたたかさが素敵です。一歩間違えれば反感は必死なヒロインですが、彼女はそのふてぶてしさのためにいろいろ努力をしている、という点で高ポイント。しかも本質は他人を思いやるやさしい子、ということで、ここら辺のギャップもいいなぁ。白魔女お得意の頭脳戦で苦境に立っても冷静たれ、という姿は読んでいて爽快です。瑞山さんの描かれる(割と)強い女性、というのが結構好みだと言うことに今気付きました。やっぱり、強い(したたか?)女性はいいですねぇ。

エメラルドが狙われた理由が明らかになり、お供を連れての旅となりましたが、まだまだ世界は謎に包まれたままです。明確に”敵”というのがまだはっきりしていないので、そこら辺も気になるなぁ。続きを楽しみにしています。

imgマギの魔法使い エメラルドは逃亡中!
瑞山いつき/結川カズノ(イラスト)
角川ビーンズ文庫(2007.09)
ISBN:978-4-04-449711-8
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