宝塚-星組 / 赤と黒

素人の観劇日記宝塚, 星組

星組のシアタードラマシティ公演ミュージカルルロマン『赤と黒』―原作・スタンダール―を見てきました。

見る前に原作読んでいこうと家の本棚を漁っていたら、取ったら絶対雪崩が起きて悲惨なことになって一日つぶれるという場所に分厚い本を発見してしまったので、見なかったことにしてwikipediaの赤と黒であらすじ押さえて見に行ってきました。

安蘭さんジュリアン青年ももちろんよかったのですが、遠野さんレナール夫人がなんかすごい圧巻だったような気がします。

遠野さんって役によってがらりと変わってすごいなぁと思いながら見たいつも通りのネタバレ感想は続き。


二十歳過ぎの青年役ということで、ふてぶてしい初々しさ満開のジュリアン青年がある意味でまぶしかったです。どうやら、私は安蘭さんの慇懃無礼な棒読み台詞が結構好きなようです。ちょっとツボ。
遠野さんの貞淑なマダムもすばらしい。前回のギルダやジェニファーと同じ人とは思えないほどの熱演ぶりに思わず脱帽です。

スタンダール原作の超有名文学作品が元ネタなのでもちろん全体を通してドシリアス展開のはずなのに……、シリアスなはずなのに要所要所で笑ってはいけないと思いながらも笑わずにいられませんでした。特に、ジュリアン青年の自分ツッコミ。
手を握れない自分に「死んでしまえ」とか、ナポレオンに謝りまくったり、夜ばいをかけるのに「突撃!」って、いや、笑ってはいけないとは分かってはいるのですが、笑わずにはいられない……。
コラゾフ公爵の恋のお悩み相談室も個人的にはツボだったりします。貴族嫌いなくせにわりとすぐ信用しちゃって誠実にその通り実行するジュリアンはやっぱり若いなぁ、と(笑)。53通りのラブレターの中身が非常に気になるところです。
他にもジュリアンにアタックをかけるマチルドのいっちゃった感のある陶酔ぶりは笑ってしまいました。現代にいたら絶対遠くで見守っておきたいタイプです。

wikipediaあらすじみたかぎりは、ジュリアン君はもっと野心ぎらぎらでやなやつかと思っていたんですがそんなこともなく。最後は自分の野心で身を滅ぼすのかと思ってたんですが、全般的に野心が悪いというわけでもなく、かわいそうなやつやと涙を禁じ得ません……。まあ、素直に材木商やっときゃよかったのに!とは思いますが。フーケとのラストのやりとりがこれまた涙をさそいます、が。

とりあえず若々しい安蘭さんとさわやかな柚希さんがかっこよかったです。