珠華繚乱 天山に咲く華 / 宇津田晴

本の感想, 作者名 あ行宇津田晴

珠国に帰り着いたのもつかの間、山賊問題に対応するため父王に天山行きを命じられた蓮祥は、先行した兄の祥達と合流すべく夕凜とともに天山を目指す。一方、幡国の龍牙は蓮祥からの謎の手紙に頭を悩ませつつも、天山での山賊問題に取り組むべく準備を進めていた。


ルルルの新人さん第二弾。男勝りの姫君・蓮祥とお隣の国の龍牙のなんともいい感じの中華風ファンタジー。

一冊目の感想で「何となく全体的にぬるい」と書いていて、今回も全体的に同様の感想なのは変わりないんですがもうそこらへんはどうでもいいです。蓮祥を溺愛する蓮祥のご家族&珠国ご家臣がおもしろすぎて。『蓮祥様行かず後家推進委員会』まで結成して蓮祥を珠国にとどめようとするご家臣の団結力に脱帽です。
今回、珠家三兄弟から登場されるのは次男の祥達。一番クールそうな次男でコレだから長男三男はえらいことになりそうです。そしてまだあの父王です。龍牙は三兄弟を乗り越えた後に最強の敵・蓮祥父を倒すことができるのか、とそこら辺が楽しみでなりません。

山賊問題を通してさらに距離が近づいた蓮祥と龍牙のうれしはずかしの関係もなかなかにすばらしく。暗躍するかの人にどう対応するか、そして龍牙は珠家の皆さんの妨害を乗り越えて蓮祥と添い遂げられるのか、といろいろおもしろそうなことがたくさん起こりそうなので続きも楽しみです。

珠華繚乱

img珠華繚乱 天山に咲く華
宇津田晴/山下ナナオ(イラスト)
小学館ルルル文庫(2008304)
ISBN:978-4-09-452058-3
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