ヴィクトリアン・ローズ・テイラー 恋のドレスと黄昏に見る夢 / 青木祐子

本の感想, 作者名 あ行青木祐子

シャーロックの心を得るため、『夜想』にドレスの作成を依頼したアディルは噂の仕立人ミセス・コルベールと対面する。一方、闇のドレスの仕立人を探すシャーロックとケネス、そしてクリスもまたミセス・コルベールについに対面するが……


本編10冊目のヴィクトリアン・ローズ・テーラー。
闇のドレスの真相に迫る内容なだけに、なんというか一部を除き重いというか暗い展開だったように思います。

まるでラスボスのような執念でシャーロックに迫るアディルが、ドレス効果もありちょっと怖かったなぁ。アディルは芯も強いだけに、ドレスの力まで得てしまうとどこまでも行ってしまいそうな。かなりしっかりしているお嬢様で、ダークサイドに行っていない限りかなり好みなのですが。まだまだ引き下がりそうな雰囲気がないだけに、今後の動向が気になるところ。
夜想やミセス・コルベールについては大部真相が明らかになってはきているものの、まだまだ謎な部分が多く読んでいる途中軽く混乱してしまいました。いったい何がどうなってるんだーというのが正直な感想。

一方、いろいろと「ついに」という感想を拝見した「ついに」の部分ではここまでが長かったよねぇとすこし感慨深いものがありました。ヒロイン・シャーリーの面目躍如か(違)。クリスにまで誰より乙女らしいと言われる始末のシャーリーなので、何だったらこのまま突き進んでほしいです。

恋のドレスと秘密の鏡

img恋のドレスと黄昏に見る夢 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー
青木祐子/あき(イラスト)
集英社コバルト文庫(2008.04)
ISBN:978-4-08-601148-89
bk1/amazon