“文学少女”と穢名の天使 / 野村美月

本の感想, 作者名 な行野村美月

ようやく受験勉強に本格的に取り組むことに決めた文学部の部長・天野遠子は意気揚々と休部宣言をくだす。心葉は遠子の現状にあきれ不安を覚えつつも、部活の代わりに成り行きから音楽教師の資料整理を手伝うことになる。そのお手伝いにかり出されたのはいつも心葉にきつい態度しかとれない級友の琴吹さんで……。


文学少女第四弾。遠子先輩はちょっとお休みで(重要な部分では活躍されますが)、心葉と琴吹さんが琴吹さんの親友を探す話。今回は私でも元ネタがわりと序盤に分かったですよ。

このシリーズはどれも謎解き部分がどうなるか分からなくてはらはらどきどきの展開ですが、本巻は今までのお話の中で一番真相が気になったお話でした。なにしろ、声はすれども姿は見えず、の人捜しでしたから。そして、いつも通り非常にやるせない展開にどんよりとしつつも、未来はちょっと明るいかなぁとなんとなく思ってしまうような結末に脱帽です。

文学少女が受験勉強で最前線から離脱した(ように見える)中で、ツンツン(×10)デ、れるかなぁ少女の琴吹さんが本巻での心葉くんの相棒。ごくごく個人的な好みで世に言うツンデレ少女はある程度のツン(本当にちょっとだけね)はまあかわいいからいいとしてあまりにもツンが過ぎるとデレがきても正直かわいいとは思えない、と思っていたので琴吹さんが苦手だったんですけどすいませんごめんなさい。琴吹さんかわいかったです。私のようにどちらかというとツンデレが苦手な人こそこのシリーズの4巻まではとりあえず読んだ方がいいと思います。

美形な怪人ってヅカ版のことかーとツッコミを入れつつ、ミュージカルはインパクト的にはいわわゆる有名な「オペラ座の怪人」がおすすめですが、ストーリー的にはいわゆる「ファントム」の方が好きだといい機会なので主張しておきたいと思います。ファントムはパパが切ないのです……。パパラブ。

“文学少女”と繋がれた愚者

img“文学少女”と穢名の天使
野村美月/竹岡美保
ファミ通文庫(2007.7)
ISBN:978-4-7577-3506-4
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