マギの魔法使い 科学者は誘惑中! / 瑞山いつき

本の感想, 作者名 ま行瑞山いつき

エスパーニャの追っ手から逃れ、密林地帯に逃げ込んだエメラルド達。いつも通りのウォレスの痛烈な皮肉に堪忍袋の緒が切れたエメラルドは、森を抜けたらそれぞれ別にマギを目指すことを宣言する。
そして、密林地帯にはマギの科学者が管理する遺跡とその警護を担う亜人類の鰐の一族がいた。エメラルドを実験体にと鰐の一族に彼女の捕獲を命じた科学者は、見た目はいいがとても有能なマッドサイエンティストで……。


マギの魔法使いの第三巻。今度はエメラルドがマッドサイエンティストにつけねらわれる……話でしょうかね。途中まではすばらしいマッドサイエンティストぶりに周りもかすんで見えましたがクライマックスあたりからいつの間にかフェードアウトしていたのが非常にざんね……、って、最後どうなったかあんまり覚えてないですすいません。
相変わらず腹の探り合いといいますか、ヒーローポジション(?)にいるはずのウォレスがエメラルドを嫌い抜いているので甘さも何もあったもんじゃない展開がよかったです。ウィザード候補であるために、自分の記憶ではない記憶との付き合い方に苦慮するウォレスなんかも見られたりしたのは収穫かな。
そして、新たなウィザード候補のアトラスが登場しましたが、今までのウィザード候補(皮肉なウォレスに執着心の固まりのアルフェッカ)と比べるととても普通で、和みそうになりました。アトラスの登場で他のウィザードにも少し変化が見えてきそうな予感です。

マッドサイエンティストはここで終わらないような気がしますので、エメラルドの旅の行方と合わせて続きが楽しみです。

imgマギの魔法使い 科学者は誘惑中!
瑞山いつき/結川カズノ
角川ビーンズ文庫(2008.06)
ISBN:978-4-04-449713-2
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