BITTER×SWEET BLOOD CANDY COLORED / 周防ツカサ

本の感想, 作者名 さ行周防ツカサ

玲子はハルと「おつきあい」らしきものをはじめたが、「カップル」らしき振る舞いはまったくないほとんど代わり映えのしない日常にいささか拍子抜けする玲子。そんな玲子は風邪をこじらしてしばらく学校を休んでいたが、休んでいる間に新たに転校生がやってきた。フランスからやってきたという留学生のマリアはハルと面識があるらしい。なかなかクラスにとけこむことのできないマリアだが、ひょんなことから玲子たちのグループと仲良くなる。


BITTERでSWEETな現代吸血鬼もの第二巻。吸血鬼モノというより学園モノの方がしっくりきそうな青春学園物語でございました。
相変わらずマイペースなハル君の心情はよく分かりませんので、それに振り回される玲子さんが不憫でなりません、もうちょっと怒ってもいいと思うよ彼氏彼女なら、と何回か突っ込みたくなりました。でもまあたまにある甘い部分がなかなかに甘くてよろしいのではないでしょうか。
今回は「あっちの世界」に仲間入りするには……というところらへんがクローズアップされつつ、あっちの世界の方々の力関係が若干見え隠れ。そして、玲子の親友・佳澄とハル君の友人青木君の微妙な関係といいますか、「あっちの世界」への切符に手を伸ばしつつもこちらの世界への未練というか心残りというか……というあたりの踏ん切りがつかなくてぐるぐる、というじれったいところもよかったかなぁ。

ここから先はごくごく個人的な問題ですが。
設定とストーリー展開自体は割と好みなのですが、二巻目を読んでも文章のテンポに乗りきることができなかったのはちょっと残念。二冊目読めば慣れるかなあぁと思ったんですが。場面と場面のつなぎ方とか、過去の語り方とかがどうも私のテンポと徹底的に合わなかったようです。ここまで違和感感じるのも少ないんだけど……。

imgBITTERXSWEET BLOOD
周防ツカサ/Chiyoko
電撃文庫(2007.11)
ISBN:978-4-8402-44063-5
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