嘘つきは姫君のはじまり 見習い姫の災難 / 松田志乃ぶ

本の感想, 作者名 ま行松田志乃ぶ

乳姉妹の馨子姫の身代わりとして姫君教育を受ける宮子。突貫工事の姫君教育もクライマックスを迎えたある日、御所から下がっている桐壺の更衣を「説得する」というお役目を得て、宮子は馨子とともに冷泉院に向かうことになる。そして冷泉院で、やはり事件に巻き込まれてしまう宮子はとんでもないものを見つけてしまう。


破天荒な姫君馨子の陰謀により馨子になりすまし御所にあがることになってしまった宮子の災難を描いた作品第2巻。
今回もロマンティック分とミステリー分の配分がなかなかに絶妙な展開でした。パワフルな馨子とそれに振り回される宮子、そして幼なじみで宮子の恋人の真幸やいいところで宮子を助けにくる次郎の君、今回初登場の蛍の君などそれぞれにかっこいい所があって読んでてわくわくです。真幸にいいところがあったのかと言えば正直若干疑問を感じずにはいられませんが(いやそれどころかいろいろパワフルな女性に引っ張られてヘタレ街道を(略))、まあそれはそれ、あれはあれということで。
宮子のお相手は真幸かなぁ、次郎の君かな、それとも最後まで分からないのかなぁと妄想がふくらみますが、幼なじみはよいモノなので真幸に一票。蛍の君は普通にかっこよく、次郎の君とのやりとりも良かったのですがやっぱりなんか違うような気がする。
桐壺の更衣の香炉を狙った謎の犯行と変死体関係のミステリー要素に関しては、ミステリー全くよく分からない派なので、最後の馨子の解説聞いてちょっとゆっくり考えるまで全く分かりませんでした。というか、どれが伏線かも一向に気付いてませんでしたね!宮子と一緒にただただ感心するという1巻と同じパターンです。

次回はロマンティック分増量予定とのことですが……今のままでも個人的には十分満足なものの続きが楽しみです。次はいよいよ御所編かな?

img嘘つきは姫君のはじまり 見習い姫の災難
松田志乃ぶ/四位広猫
集英社コバルト文庫(2008.09)
ISBN:978-4-08-601210-2
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