掲げよ、命懸ける銀の剣 幻獣降臨譚 / 本宮ことは

本の感想, 作者名 ま行本宮ことは

シュータン帝国がリスタル王国に宣戦布告を行い、二国間での戦端が開かれた。第二王女シェリカの誕生パーティーの場でその報を聞いたライルは騎士団の一員として戦いに身を投じることとなる。そして、アランダム騎士団で戦争の準備を進めるシェナンは、次第に人の心をつかんでいく。一方、ミルヒランドでクルサードに再会したアリアは、クルサードの不審な行動の真意をつかめずにいた。


幻獣降臨譚10冊目は、開戦したものの主立った登場人物の周囲ではええええーと思うような出来事は起きていないので、小休止のお話かと。王宮でのらりくらりと立ち回ることに早くも失敗しているライルや、アランダムで着実に味方をふやしつつあるシェナンがメインのお話でした。真っ黒街道一直線のディクスは登場無しで、裏でどんな暗躍をしているのかと心配でなりません。

ライル派とシェナン派かと聞かれれば両方ですと胸を張って答えかねない私ですが、本巻読んだ限りはどうもシェナンゴールが近づいて来ているような。いやもう驚き展開連続の幻獣降臨譚だから最後は一人でたくましく生きていきました!(with光焔)とかもありえるんですが。自分の過去を振り返り落ち込むシェナンが違う意味でかっこよかったです。シェナン周辺もにわかに騒がしくなってきたうえに、王家の方もでもなにやらきな臭い出来事がちらほらと(いつもきな臭いというツッコミは無しの方向で)、というところでこちらの動きも見逃せません。
ミルヒランドのリアラはクルサードの謎の行動に疑問符を浮かべまくりですが、こちらの解答もだんだん見えてきたようです。後書きによると次巻である程度はすっきりしそうですね。前回は次でようやく公女さまと対面か、と思っていましたが今度こそ対面して、こちらもなにやら起こりそうないつも通りのすばらしい次巻へのふりで終わってしまいました。続きが楽しみです。

img掲げよ、命懸ける銀の剣 幻獣降臨譚
本宮ことは/池上紗京
講談社ホワイトハートX文庫
ISBN:978-4-06-286561-6
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