アネットと秘密の指輪 お嬢様と謎の貴婦人 / 雨川恵

本の感想, 作者名 あ行雨川恵

伯爵家の女当主になるべくお嬢様修業を続ける下町育ちのアネットは、顧問弁護士のユージンが設定した王宮での接見会に出席することになる。そしてある日公園で出会ったブランシュと名乗る女性を(とある目的から)屋敷に迎え入れたアネットは、ブランシュと意気投合するのだが……


執事とお嬢様のマイフェアレディ物語第二弾。アネットがリチャードに対し信頼と好意をまっすぐ向けているところがいいですねぇ……。アネットがとてもかわいいです。
今回はリチャードよりも顧問弁護士のユージンがクローズアップされたお話かな。普段ずけずけとアネットに言いたい放題のユージンですが、そんなユージンが顧問弁護士としてアネットに告げたプロとしての言葉にはなかなかしびれるものがありました。普段のらりくらり型の人なだけに重みがあります。

謎の貴婦人・ブランシュの登場でアネットやリチャードが今後対峙するであろう問題もちらほら見え隠れで続きが楽しみです。

※あと、前の感想ではロンドンっぽいところが舞台なのでそこら辺好きなら特攻の価値あり(意訳)みたいなことを書きましたが、やっぱりロンドン好きなら(以下略)。後書きを読む限りイギリスを舞台にオリジナルの歴史を展開しているということなので、パラレル(?)的なノリを楽しめるなら結構いいかも。

アネットと秘密の指輪 お嬢様と謎の貴婦人
雨川恵/風都ノリ
角川ビーンズ文庫(2008.11)
ISBN:978-4-04-450711-4
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