暁と黄昏の狭間V 月虎の書 / 西魚リツコ

本の感想, 作者名 な行西魚リツコ

セフルとギルダン・レイはケリードに連れられ、リヴォの皇帝に謁見するため首都リアナへと招かれる。ケリードの庇護下に置かれながらもリヴォへの憎しみをたぎらせるギルダン・レイは、リアナを崩落させるための計画を着実に進めていく。一方、セフルはセゲド族の力になるために密かに動くのだが……


相変わらず容赦ないな!の暁と黄昏の狭間第5巻。今回はもしかしなくてもセフルが体験する「大変さ」は一番緩いかと思われますが、しかしそれ以外のところが容赦ないです。普段あんまりきついの読んでないのでとても容赦ないなぁと思いました。ちょっと離れたところから読むようにしないと切なすぎて泣けてきます。

前巻で「レイ卿の明日はどっちだ?」的展開になるだろうと思いますといっていたら、レイ卿の明日はダークな方向にまっしぐらです。セフルを巻き込みたくないとセフルと距離を取るレイ卿の姿がこれまた切ないです。魔術を嫌っていたのに、その魔術を利用してまで復讐を遂げようとするレイ卿が痛々しいなぁ……。セフルならレイ卿をすくい上げることができると思うんだけど、容赦ない展開なのでどうなることやら。
元の光り輝いたワン(超訳:魂みたいなモノ)を放つレイ卿に早く戻ってほしいものだ。

そして、一段落ついたところのエピローグがこれまたレイ卿とセフルが歩むであろうすれ違い街道が暗示されているようで……。一旦舞台はドムオイに戻るかも、ですがレイ卿といいケリードといい、いろんな人の今後が気になります。

あ、あと。主役の二人を除いて、表紙の法則が何となく読めたぞー。

img暁と黄昏の狭間V 月虎の書
西魚リツコ/D-SUZUKI
トクマ・ノベルズEdge(2008.10)
ISBN:978-4-19-850808-1
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