屋根裏の姫君 裸足の花嫁 / 香山暁子

本の感想, 作者名 か行香山暁子

義母エマにたたきつけられた現実に王子との縁談をあきらめた美春は、今まで通りランプリング家での家事をこなす日々に戻る。時を経ずしてある日父親ジェイクの乗った船が難破し、ジェイクが行方不明になるという事件がもたらされる。ジェイク行方不明の報にエマは寝込んでしまう。ランプリング商会を守るのは自分たちしかいないと美春と義姉アネットは立ち上がるのだが……


コバルト版シンデレラストーリーの完結編。上巻でどん底に落とされた美春が家族の絆を得て、王子様とのハッピーエンドを迎えるまでのサクセスストーリーでした。女子が総じて強いので読んでて楽しいですねぇ!迎えにくるのを待つのじゃなくて自分から行くんだというこの力強さが素敵だ。

王子様関係ももちろんとてもロマンティックだったんですが、この物語は王子様関係よりも美春とエマ達の物語じゃないかなぁと思ってしまうほど義母や義姉関係のお話に比重が置かれていました。ま、王子様半分ギャグ要員ですからね……。
エマ義母さまが長い間とらわれていた檻から解放されたところや、アネット義姉さまが奮闘するところとかキャロル義姉さまが意外にまともなことを考えていたろところ、そして美春が自分の思いを爆発させたところなど、ランプリング家の女性の強さや絆がとても素敵でした。

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屋根裏の姫君 裸足の花嫁
香山暁子/楠本こすり
集英社コバルト文庫(1998.11)
ISBN:4-08-614526-X
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