≪神の家≫は涙する 運命のタロット11 / 皆川ゆか

本の感想, 作者名 ま行皆川ゆか

≪月≫とのフェーデに勝利したライコと≪魔法使い≫は勝利の報酬として≪月≫の象徴の力を使い≪魔法使い≫のなくした過去を体験することになる。巨大な氷塊を地球に落下させるという”改変”を目論もうとするプロメテウスとティターンズの激しい攻防の一端を見たライコは、≪魔法使い≫と≪魔法使い≫の過去の協力者と目される≪女帝≫の関係に……


運タロ11巻、ライコがプロメテウスにいた≪魔法使い≫の過去を知るお話。

≪魔法使い≫の過去編は様々なタロットが勢揃いしての総力戦といっても過言じゃないんじゃないんだろうか、と感じてしまった「ツングース」での戦いを描いていました。とにかく、壮絶の一言。≪魔法使い≫や≪女帝≫が妙に男前でした。そしてラスプーチンの不気味さが光ってましたね。さすが怪僧(……あんまり関係ないか……)。
そして、この過去を知ったことにより、ライコの中の「もやもや」がさらにはっきりとした形の「もやもや」の一歩手前に成長。今までの道程が道程でだっただけに、そしてライコの置かれている状況が状況だけに胸にくるものがあります。

切ないと言えば、最後の≪月≫の願いも切なかったですね。運命のタロットにより空虚な人生を歩むことになったものの最期の願い。とてもやるせないものがありました。

さて、ラスト2巻。話がどんどん広がって広がって広がりまくって一部をどう占めるのか見当もつかないんですが、どうなるんでしょうか?前の巻くらいから大河(兄)がもしかしたら************という妄想が広がってるんですがそこら辺とか近々答え出たりするんでしょうか!

≪神の家≫は涙する 運命のタロット11
皆川ゆか/乱魔猫吉
講談社WHティーンズハート(1996.02)
ISBN:4-06-199391-7
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