そして花嫁は恋を知る 白銀の都へ旅立つ姫 / 小田菜摘

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行小田菜摘

ブラーナ帝国の皇女アグライアは敵軍に包囲された国を救うため、北の大国フレンドル公国に助力を求めに行く。フレンドルの公子ユーリにアグライアが持ちかけられたのは、二人の婚約。婚約することでアグライアはフレンドルの軍事力を、そしてユーリは大公に即位するためのブラーナの後ろ盾を得るという双方にとって利のある「偽の」婚約が成立する。


ブラーナ帝国周辺を舞台とした歴史ロマン「そして花嫁は恋を知る」シリーズ第二弾。今回は前作から500年後の世界、ロシアのような北の国を舞台とした没落したが権威のあるブラーナ帝国の皇女アグライアと新興国フレンドルの公子ユーリの物語でした。

おお、このシリーズやっぱりいいね!歴史ですよ、大河ですよ、そしてラブロマンスですよ!ラブが若干というか結構薄いような気もしますがなんというかこれらの組み合わせとても大好物なのでとてもおいしく頂きましたごちそうさま。ただラブラブしてるよりやっぱりなんというかこうぴりりとスパイスがある方が際だっておいしいですよね(……スパイス自体も甘すぎるわ!といわれようともこれくらいが好きなので文句は受け付けません)。
ヒロインのアグライアが健気でまじめでいい皇女さまでした。皇女としての義務と乙女心との間で揺れる様子が丁寧に描かれていてとても好印象でした。ユーリは……クールなかっこよさというのでしょうか、ヒーローとしてはとてもかっこよく。そして案の定「おんなのひとってこわい」的ボスキャラもいる一方で、健気な少女のその想いに涙したりといろいろ盛りだくさんでした。

アグライアからユーリへの想いはよく分かったのですが、ユーリからアグライアに関してはちょっっと物足りないかなぁ、むしろもうちょっとなんか描写を!と思わなくもないですが、全体的に見ると総じて好みなので些細な問題です(おおざっぱ)。先月出た三冊目も実は一緒に買ってあるのでむふふと読みたいと思います。楽しみー。

imgそして花嫁は恋を知る 白銀の都へ旅立つ姫
小田菜摘/椎名咲月
集英社コバルト文庫(2008.10)
ISBN:978-4-0860122-5
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