≪教皇≫がiを説く 真・運命のタロット1 / 皆川ゆか

本の感想, 作者名 ま行皆川ゆか

記憶を失い、街をさまよう少女。気のいい青年・菊沼と彼の知り合いの婦警・織藤に保護され、病院で精密検査を受けることになる。記憶を失っているはずなのに、菊沼や織藤に既視感を感じる少女だが、病院の精密検査で「虚数体」という不思議な存在である事実をつきつけられ……


運命のタロット第2部第1巻。とてもあらすじを書きにくかったのですが、もちろん記憶を失っている少女=ライコちゃんです。第1部のラストからどうつながるのかなぁと思ってたら。

つながってないやん。

と盛大に突っ込みたくなりましたが、追々今巻の冒頭にどうやってつながるのかが明かされるのでしょうととても期待してしまいます。
プロローグから本編へのつなぎも鬼ですよねー。どうしてこんな状況に、といろいろな事が謎に包まれたまま進むお話、記憶を失っているはずなのに既視感のある人々(第1部から読んでる人にしてみると余計にやきもきしてしまう)、そしていつも隣にいるはずのあの存在の欠如。そして虚数体という存在と≪運命のタロット≫との関係の一旦、などいろいろ驚きの展開が待ちかまえておりました。

初期のどっきり☆学園生活は影も形もなく、ハードにSFっぽく(*1)なってきてさらに続きが楽しみです。最後の最後にようやく、というところで次巻に続くなので続きも早く読まないと。

(*1) SFに全く造形はございませんので、なにがSFかはよく分かっていません。敢えて言うなら、私基準では「すこし・ふしぎ」以上は全部SFでお願いします。

img≪教皇≫がiを説く 真・運命のタロット1
皆川ゆか/乱魔猫吉
講談社X文庫ティーンズハート(1998.01)
ISBN:4-06-199729-7
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