グランドマスター! 新たなる旅立ち? / 樹川さとみ

本の感想, 作者名 か行樹川さとみ

シアシーカーと無事合流した<黎明の使節団>は新たな目的地を目指して世直しの旅に再出発した。次に彼らが向かったのは、とある田舎の山の中。ハルセイデスは田舎のミトラーダ支部に左遷されたとある人物に会うという目的があるらしいのだが……。


グランドマスター第6巻は新章スタートでした。サブタイトル見た時点で、「もしかしてこれって微妙な最終回フラグか!」(=俺たちの旅はまだまだ続くぜ!的な)と危惧してたんですが、サブタイトルそのまんまのお話で良かったです。

さて、今まできちんとあかされる事のなかった使節団の旅の真の目的がちょこっとあかされたり、謎に包まれていた黒ずくめのひとの出自が少し語られたりといろいろ忙しい展開でした。ハルさんは慎重なのか大胆なのかよく分からない人ですね。
とても大きなものをひとりで背負おうとするシーカと、そしてそれをひとりで背負わせないようにしようとするハルさんの攻防がこれまたなんともいえないむふふな展開で。シーカのごまかすタイミングや何やらが私にも分かるようになってきたので余計にハルさんを応援したくなります。今の時点でまた既刊を読み返すと、シーカーの言動の裏に隠されたものがつかめてまた違ったおもしろさがあるんだろうなぁ思ってみたり(……時間があれば再読したいところ)。しかし、シーカのセクハラ発言・言動もだんだん磨きがかかってきててすごいなぁ。それに応対する悟りの境地のハルさんもすごいんですが。

ミトラーダ本部よりも数段上手の狸さんがいっぱいいそうな所に歩を進める一行ですが、さて、彼らの旅にどんな事が待ち受けているのか、楽しみです。

imgグランドマスター! 新たなる旅立ち?
樹川さとみ/松本テマリ
集英社コバルト文庫(2009.04)
ISBN:978-4-08-601277-5
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