鳥籠の王女と教育係 魔王の花嫁 / 響野夏菜

本の感想, 作者名 は行響野夏菜

教育係かつ稀代の魔法使いゼルイークの力により、死とカエルの呪いから若干解放されたエルレインは、なぜか離宮に居座ってしまった隣国の婚約者アレクセルらとともに平穏に過ごしていた。そんなエルレインの前に現れたのは、彼女の初恋の人でお付きの魔法使いでもあったシスティーク。婚約者、現お付きの魔法使い(教育係)、そして初恋の人と妙な四角関係が勃発する。


呪われし皮肉屋の王女様と王女様の呪いをとくために派遣された魔法使い、そして王女様の婚約者であるアホ(ほめ言葉)王子が繰り広げる魔法にまつわる物語第2弾。王女様の初恋の人が謎の目的を持って離宮に現れ、王女を巡る男の争いが巷で(サブタイトルにもなっている)話題の歌劇にそっくりなんですが!というお話でした。

わりと軽い目の展開なのかなぁと思っていたら、ゼルイークの過去やエルレインを狙う謎の人物の暗躍などシリアス目に展開していく模様。巷で話題の歌劇との繋がりや、伝説の王妃様関係はそうくるか、という真相であったり。フラニエル様のお話もとても読んでみたいですよ。
シリアスな中でもアホ王子(注:ほめ言葉)のアホ発言が和みます。……が、カエルモードの王子が妙にかっこいいってどういう事でしょうか。カエルなのに……人間の時はアホ全開なのに……。アホの中にきらりと光るシリアスさのギャップがかっこいいです(注:ほめてます)。

img鳥籠の王女と教育係 魔王の花嫁
響野夏菜/カスカベアキラ
集英社コバルト文庫(2009.04)
ISBN:978-4-08601279-9
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