さながら駆けし破軍の如く / 天野ゆいな

本の感想, 作者名 あ行天野ゆいな

狼国の第一公主・揺光は国王直轄の暗殺者集団「北斗」の首領という顔も持っていた。地方に調査に出かけた揺光は、医学を学びに来たという敵対する隣国の公子・天魁と道中を共にすることになる。天魁にどことなく惹かれる揺光であったが、父王の下した命令は残酷なものであった。

とても新人さんでした。

ホワイトハートの新人賞受賞作。
著者紹介を見てびっくりしたんですが、作者さん14歳です中学生です。そういえば、そんな人が受賞したというお知らせを見たことがあったのにすっかり忘れていました。
そんなことはさておき、中華ファンタジーに釣られ、表紙に釣られましたが……、えーと、いつも基本的に辛い感想書かないんですが、今回はちょっと辛くなりますごめんなさい。

■いいところ
中華。大枠の設定(公主様と敵国の公子様のラブ)。わりにシリアス。ヒロインが男前。
破綻なくエンディングを迎えている。

■むむむ、と思ったところ
全般的に薄い、緩い、ぬるい。すごい詳しいあらすじを読んでる気分だったところ。
最後のオチにえええっ!となったところ(……いや、書き用によってはあのラストも全く問題ないというかむしろとても好物ですが)。公主様が仕事人だったのは公知の事実、だったっけ?(と最後のところでとても疑問に思った)。
ついでに、何かどっかで見たような……と思ったらホワイトハートの花嫁シリーズか!あとその他有名中華ファンタジー少女小説。

■総じては
とてもえらそうで、おまえかけるのか!といわれたら全力で謝る程度に文才のない素人なんですが(先に謝っておきます)やはり、経験(知識とか人生経験とか)が足りないのだなぁ、と思います。一から世界を構築する「異世界モノ」を書くからには、もうちょっとしっかり土台がほしかったなぁ、と(世界が薄すぎた)。
あと5年もすればきっとまた違った面白いお話を書いてくださるのではないか、とそこはかとなく期待しておこうと思います。何はともあれ、今の時点でここまでかけるのならあとは経験だと思うのですよ……。

imgさながら駆けし破軍の如く
天野ゆいな/椋本夏夜
講談社X文庫ホワイトハート(2009.06)
ISBN:978-4-06-286597-5
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