魔王子の花嫁 / 七海ユウリ

本の感想, 作者名 な行七海ユウリ

エルファーン国の第二王女ラズシエルは退屈な毎日に飽き飽きしつつも、王女としていつか王位を継ぐ姉のために嫁がないといけないことを確保していた。姉姫の戴冠式を間近に控えたある日、ラズシエルの前に魔族の王子ルークが現れる。ラズシエルの亡き父王と魔族の王が交わしたという約束から、ルークはいきなりラズシエルに求婚してくるが、実は求婚相手を間違っていて……


キスの先まで行くことが売りのティアラ文庫創刊ラインナップを読みました。
これ、主人公の二人の歩み寄り過程がとても少女小説でしたね。このレーベルの売りのシーンがなければ、普通に少女小説でいけると思います。……そういうシーンが苦手ならすっ飛ばしても全く問題ないと思う……。
ヒロイン、とても有能なヒロインの姉、ヒロインが憧れるお目付役、ヒロインに密かに心を寄せる幼なじみ、そしてその場を引っかき回す王子サマとこの配置だけでとてもおいしいと思います。

イラスト効果のせいか、主人公二人の行動パターンのせいか、妙にかわいらしいお話だなぁと思ってしまいました。本当は姉の所に求婚に来た相手のはずなのに惹かれてしまう、本当は姉に求婚しないといけないのに妹が気になって仕方がないとこの王道っぽいとまどい具合が素敵でした。陰謀面が若干というか結構拍子抜けだったんですが、この話の売りは二人の距離の縮まる過程とそのヤキモキ感なのであんまり問題ないです。あ、あと幼なじみにとても同情してしまいまいた。タイトルからして報われないことがはっきりしていますが、いい人なだけに……。
最後の最後のエピローグがかなり好みです。お姉さま+αのこわれっぷりがおもしろかったです。

img魔王子の花嫁
七海ユウリ/若武丸
ティアラ文庫(2009.06)
ISBN:978-4-8296-6503-9
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