華の皇宮物語 / 剛しいら

本の感想, 作者名 か行剛しいら

まもなく皇帝に即位する皇子の後宮を作るため、全国各地から美女が集められいる中、遜家の跡取りとして、女でありながら男として育てられた香蓮は妹のかわりにお妃候補として中央に行くことになってしまう。”婚約者”だった桃花とともに、後宮の女官を狙っていた香蓮は、彼女たちを中央まで護衛した先生帝の子供である白勇波に惹かれていき……

中華後宮(にはいる前)ファンタジー。このロマンスは結構好物。

おお、これは好みだ、というティアラ文庫創刊ラインナップの一作。一応感想書いている時点で(一作をのぞいて)全部読みましたが、一番好みでした。
後宮学講座は、このえぐさは普通の乙女レーベルではできないね!というティアラ文庫らしい(?)ところが光っていました。正直うえーっと思う部分なんですが、ここまで突っ込んでもらえると逆に潔くていい。

男として育てられたため、そんじょそこらの男よりよほど男前な香蓮、そんな香蓮に惹かれるものの、お妃候補だということでなかなかストレートに想いを告げられない白勇波。この二人のロマンスが素敵だったなぁ。桃花のしたたかさと、そして香蓮に対するあの態度から再び香蓮ラブになるところまでの流れも好きだ。女同士の友情って、時にとてもかっこいい。
逃避行の所とかあっさりしすぎているのが若干不満ですが、おとーさんとおかーさんがちょい出でもなんか素敵だったので帳消しです(笑)。

ビーズログの「金の姫……」では淡泊すぎてなんだか物足りなかったんですが、今回は同じ淡泊でもなんかいい感じに作用していたように思います。たぶん、あのシーンも一番淡泊。
皇子様の後宮改革物語も読んでみたいなぁと思いつつ。

img 華の皇宮物語
剛しいら/早瀬あきら
ティアラ文庫(2009.06)
ISBN:978-4-8296-6501-5
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