”文学少女“と月花を孕む水妖 / 野村美月

本の感想, 作者名 な行野村美月

「悪い人にさらわれたので、宿題と着替えを持って助けにくるように」
夏休みも終盤のある日、文学部の部長天野遠子から謎の電報を受けとった心葉は気乗りしないまま、姫倉が所有する別荘に向かう。この別荘は曰く付きの別荘で、「白雪」と呼ばれる妖怪が潜むという沼地のほとりにある。その昔「白雪」が引き起こした悲劇と同じ状況が整ってしまった別荘では……


文学少女、最終巻前の番外編。
姫倉の別荘に拉致された遠子先輩と、なぜかそこによばれてしまった心葉、そして姫倉の呪縛と戦う麻貴先輩とその昔起こった悲しい恋物語のお話。麻貴先輩が格好良すぎました。なんて男前。
タイトルからも分かるように、夏といえば怪談、という繋がりからか若干ホラーな展開。仕組まれていたホラーとはいえ、これはホラーが苦手な遠子先輩にはかなり辛い展開です。とてももの悲しいお話でしたが、文学少女の語るもう一つの物語は悲しいだけでなかったのが救いといえば救い。

そして物語の最後で語られた回想にいろんな意味でとても驚きました。思わせぶりすぎる!最終巻で何が起きるのか、えらい展開になりそうでとても気になります。

img”文学少女“と月花を孕む水妖
野村美月/竹岡美穂
ファミ通文庫(2008.1)
ISBN:978-4-7577-3918-5
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