東の剣士 北の魔女 / くりたかのこ

本の感想, 作者名 か行くりたかのこ

東国出身の傭兵センリは通りがかりにに湖に投げ込まれておぼれいた少女テアを助ける。何者かに追われているらしいテアを助けるために、テアの口車に乗り「夫婦」となってしまったセンリ。成り行き上一緒に旅をすることになった二人は、立ち寄った村が山賊の襲撃を恐れていることを知り、用心棒としてしばらく滞在することになる。

時折シリアスなコメディファンタジー。

第11回えんため大賞ガールズ部門奨励賞受賞作品。
凄腕傭兵(ただし、基本的にぽややん系)が助けた少女に実は秘密があって、彼女を狙う(?)凄腕暗殺者集団に狙われたり仲良くなったりする話。

面白い面白くないの二つに分類すると、個人的には面白い方に位置することは確かなんですが、えらくとっちらかった印象があって読了後もなんだか釈然としませんでした。よんでる途中はまだいいんですけど、ふと我に返るとあれれ?みたいな感じで。途中でもそれでいいんかい、とは思ったりしましたが基本コメディなのであまり気にしない方がいいと思います。……個人的に幼な妻ネタは(物語の重要要素とはいえ)つかみがイマイチだったなぁ。暗殺者集団はドロ○ボー一味を思い出しました。……なんとなく。
あと、ファンタジー内の現代カタカナ語連発もそんなものかと思えば気にならないかもですが、駄目な人は駄目そう。

ヒロイン元気で口達者だけど健気でかわいいといえばかわいいし、巻き込まれてしまうセンリも決めるとは決めてかっこいいことはかっこいいし、諸悪の根源の訳分からん人もたぶん味が出ればとてもおもしろい人だとは思うんだけど、ちょっと吸引力が足りなかったです。個人的なツボから若干離れていたと言うところが一番問題っぽいので、はまる人には面白いと思います。
とてもプロローグだったので続きそうですが、続きは様子見かなぁ。17歳に戻ったときとか読みたいとは思うんですが、いろいろむむむと思いながらまでして……といわれれば……。

img東の剣士 北の魔女
くりたかのこ/芦澤キョウカ
B’s-LOG文庫(2009.06)
ISBN:978-4-7577-4942-9
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