飛天のごとく(上・下) / 宮乃崎桜子

本の感想, 作者名 ま行宮乃崎桜子

上皇が政治の実権を握り、院政の最盛期であった平安時代末期。関白藤原家の次男頼長、は実は姫であったが、母親の嘘で男として育てられた。院政を終わらせるという父の願いを受け継ぎ元服までなした頼長。ふとしたきっかけで女装姿の時に佐藤義清に出会い、お互いに惹かれ合うが、男として生きる必要のある頼長は義清に思いを告げられず……。


あの「藤原頼長」が実は女だった!しかもお相手がかの有名な!というびっくりの男装ものでした。女心と男として生きなければならない使命感とでゆらゆら~という男装ものの醍醐味も味わえましたが(主に上巻)、下巻は主に頼長の政治家としての生き様を描いたような展開でちょっと物足りなかったかなぁ……。もうちょっと悶々としてほしかったとか、秘密の逢瀬ももっと濃くラブラブってもいいんじゃないか的な。

下巻からは状況が悪化しすぎて、そんな中でもまっすぐに生きようとする頼長が痛々しかったです。頼道の報われなさすぎる……。辛い展開の中でも癒しポジションだった頼長の嫁・幸子様が素敵でした。

img 飛天のごとく(上)
宮乃崎桜子/浅見侑
講談社X文庫ホワイトハート(2009.05)
ISBN:978-4-06-286594-4
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飛天のごとく(下)
宮乃崎桜子/浅見侑
講談社X文庫ホワイトハート(2009.05)
ISBN:978-4-06-286595-1
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