花守の竜の叙事詩 / 淡路帆希

本の感想, 作者名 あ行淡路帆希

隣国エッセウーナに突如侵略されたオクトスの王女エパティークは、家族を殺され、エッセウーナに連行された。そこで彼女に与えられた役割は、エッセウーナの第二王子テオバルトとともに聖峰スブリマレに向かい、伝説の銀竜を呼び出すための生け贄となること。亡国の王女と厄介者の王子、そして道中彼らの旅の道連れとなる少女エリスの命がけの旅が始まった。

守りたいものが見つかると、強くなれるお話。

ルビーウルフの淡路さんの新作読み切りは、切ないけれどきれいな物語でした。
確かに、ルビーウルフでも明るい中に容赦のない展開があったので今回のお話読んでも驚きはしませんでしたが、ルビーウルフとは方向が170度くらい違う話なのである意味心して読む方がよいかもー。

途中陰々滅々の風が吹きすさんでいたところは読むのしんどいなぁと思ってたんですが(基本的に暗いとか辛い話がとても苦手)、エパティークがエレンを守り、そしてテオバルトが無意識のうちに二人を守り少しずつ距離が近づいていくあたりからずんずんと読む手が止まりませんでした。

銀竜の秘密や、テオバルトさんとこのお家事情あたりが明かされれはじめる終盤は予想もつかない転がり方をしてとてもびっくりしました。銀竜はともかくそっちはそーくるかーというかそんな驚き。

次の新作も楽しみです。

img花守の竜の叙事詩
淡路帆希/フルーツパンチ
富士見ファンタジア文庫(2009.06)
ISBN:978-4-8291-3409-2
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