レジェンド・オブ・クリスタルノーツ 白銀の剣姫 / 天流桂子

本の感想, 作者名 あ行天流桂子

修道院を出て両親の手がかりを探す少年修道士ハインリッヒは森の中でならず者に追いはぎにあいかけていた。通りすがりの美人(だけどぶっきらぼうでがさつ)の女剣士ロクサーヌはそんなハインリッヒを助けた。そして、そこを通りがかったのは錬金術師のカール。一見なんの関係もないような三人がひょんなことから旅の道連れになり、とある都市の奇妙な事件に巻き込まれる。

3人(+1人?)の珍道中の序章の物語。

B’s-LOG文庫の新人さん(?)と思われる方の第一作は、妙な因果で寄り集まった剣士・修道士・錬金術師の三人組の旅立ちを描いた序章の物語でした。新人さんにはてながついているのは、どうも落ち着いた筆遣いその他が新人さんに思えなかったから……。

一言で言うと、ビズログっぽくない!お話でした。私のビズログのイメージがビズログに対して非常に失礼かもしれませんが、思ったよりも硬派でまじめなファンタジーでして……。面白いんだけどもえ(いろんな漢字を当てはめてみてください)が足りないわ!と思ってしまったのはここだけの秘密にしておこうと思います。
ハインリッヒの出生の謎、カールの真理、ロクサーヌの富と栄光、とそれぞれの求めるものはてんでばらばらですが、謎の宗教集団絡みでそれが全てひとつの場所に集約しそうな、そんなプロローグの物語でした。

面白い方の部類にはいるのですが、ムシ関係とかちょっと苦手とか(目をすべらして読んだ)、若様それは唐突すぎて少女小説じゃないわとか、ロクサーヌのボケが笑えない……とか(靴の真実は実はいい話だった)何点か乗り切れない部分があったりも。しかし、3人(+やむにやまれぬ事情でストークする羽目になりそうなかわいそうな人)の旅路も若干気になったりと……続きはたぶん出ると思いますので気にかけておこうと思います。

レジェンド・オブ・クリスタルノーツ 白銀の剣姫
天流桂子/碧風羽
B’s-LOG文庫(2009.07)
ISBN:978-4-7577-4980-1
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