海賊と姫君 Eternal Lovers / 花衣紗久羅

本の感想, 作者名 か行花衣沙久羅

一族を目の前で殺され、唯一生き延びた弟ルカと共に身の証を立てるために王都を目指すラヴォリエ伯の姫君マディーナ。密航した船が実は海賊船という最初から最大の問題と対峙したマディーナは、海賊船の船長レオンの専属奴隷になることでルカの身の安全を確保することになるが……

わりとグランドロマンな海賊と貴族のご令嬢のラブストーリー。ティアラ文庫ですがそんなにきつくない。

大航海的な時代を舞台に、弟のために一生懸命なお嬢様とイケメン海賊との恋模様を描いた作品でした。マディーナは機転も利いてかわいくて一生懸命でとても好感度が高かったです。こういうお嬢様好きだなぁ。対する船長は、手下共に慕われるよい船長(ただし海賊なので豪快で若干怖い)。最初はマディーナのお体にめろめろだったようですが、徐々にその内面にもひかれていって(ると思われる)という展開はいいですね。ロマンスです。終盤のアレはまったくもって予想してなかったのでちょっとおおっとなりました。そしてラストの大団円のところはとてもロマンスでした。やり過ぎ船長!とも思わなくもないですが、手下共も祝福していたのでいいかと思います。

ティアラ文庫の中では(全部読んでませんが)、わりとソフトな方でないかなーと思います。といいますか、これ、最初は歴史もの的少女小説なラブストーリーで予定されていた作品では……?と思ってしまったり。あのシーンやこのシーン、もう少しソフトにして、ちょっと朝チュンに切り替えて、イラストの位置を変えれば十分コバルト(その他)的にもOKな作品だなぁと思いました。
こういうグランドロマン的なやつ大好きなので好物でございました(正座)。

海賊と姫君 Eternal Lovers
花衣紗久羅/サマミヤアカゲ
ティアラ文庫(2009.08)
ISBN:978-4-8296-6510-7
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