シャーレンブレン物語 恋の蕾と秘密の小箱 / 柚木空

本の感想, 作者名 や~わ行・他柚木空

周囲の盛大な勘違いから、アレクの「運命の人」探しに沸く宮廷に、アレクの元婚約者であるエスメラータが帰ってきた。そんじょそこらの騎士よりもよほど騎士らしく、ご令嬢たちの理想の騎士像を具現化しているエスメラータ。アレクのためにとひらかれるお茶会に現れてはご令嬢の視線を全て集めてしまうエスメラータだが……。(乙女は騎士を夢に見る)

短編6話を収録した番外編。面白かった!(主にエスメラータが)

シャーレンブレンの番外編。このシリーズ、なんかほのぼのとしてて、でもちょっとぴりりと辛いところもあってというところがとても好きなんですが、今回も例に漏れずとても好みのお話がよりどりみどりでした。

小さい頃のミナワとユリウスとかとてもかわいかったんですが、個人的にはアレクとエメ様の物語と、アレク父母のナレソメの話が面白すぎました。特にエメ様はいい。すばらしすぎる。宝塚の男役がどうしてあんなに格好良くて邪心なくきゃーきゃーいえるのかと言うところと全く同じような魅力を持つエメ様ですが、そんな秘密があったとは……。そりゃまあ理想の騎士像を持っていてその通りに行動するんだからみんなめろめろになるよね!エメ様とアレクは、是非とも結ばれてほしいのだけど、果たしてどうなることやら。

アレク父母は予想外にシリアスな展開で、ここまで甘くきといて最後はビターか!と思いました。二人ともいい味出してるので、本編でもうちょっと見てみたいなぁと思うのですが……出番はないのでしょうか?

シャーレンブレン物語 恋の蕾と秘密の小箱
柚木空/鳴海ゆき
小学館ルルル文庫(2009.08)
ISBN:978-4-09-452124-5
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