ユヴェール学園諜報科 一限目は主従契約 / 葵ゆう

本の感想, 作者名 あ行葵ゆう

養い親を亡くし、天涯孤独となったアルベルトはアルバイト先の酒場で酔っぱらいに絡まれたところを謎の青年ヴァルターに助けられる。そして翌日、強引に連行された先は国内でも有数の貴族・ロートシルト公爵家。公爵家で待っていたのは昨日の青年ヴァルターで、とある理由からアルベルトの借金を肩代わりする代わりにヴァルターととある契約をと迫られるアルベルトは……

混ぜるな!危険。

俺様系の公爵家次期当主と契約を交わし、彼に付き従うことになったアルベルトの運命やいかに!というお話。アルベルトの失われた記憶とアルベルトとヴァルターの過去については序盤でちゃっちゃと明らかになるのでそんなにミステリーではないのですが、学園で巻き起こるこれからいろいろ大変そうだなーと思う事件の顛末はちょっとおっと思いました。アルベルトにほだされて柔らかくなっていくヴァルターとかの流れはベタながらいいです。こういうの好きです。

で、冒頭に戻るんですが、とても混ぜるな危険でした。表紙を見ていただいたら分かるように男性陣ばかりで女っ気皆無。絆祭全開。女っ気なくても楽しめる作品(ディオンとかとても好きだった)もあるのでそこら辺期待していたんですが、これは、なんというか、ビーンズじゃないレーベルの方がいいんじゃないかな?と思いました。主にアルベルトとヴァルターの距離的な部分において。いろいろとひえーと思うイベントの連続でちょっときつかったです……いや私べつにBLはBLで読めるんですよ。でも、ビーンズは基本的にはBLと思ってないので、思ってないところでどどんとくるとちょっとうえっとなります。

諜報科といいながら将来俺はスパイだ!って人が集まるお話でもないようで、それもちょっと残念。謎の組織とかいろいろ思わせぶりだったんですが、これ以上強い絆祭になってしまうと私無理なので続きは……えー……なんだその……。

ユヴェール学園諜報科 一限目は主従契約
葵ゆう/樹要
角川ビーンズ文庫(2009.10)
ISBN:978-4-04-453505-6
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