横柄巫女と宰相陛下 楽園の塔 / 鮎川はぎの

本の感想, 作者名 あ行鮎川はぎの

遠地参拝のため、キーカ神殿に向かったノトは、リリィの活躍で毎年キーカ地方で発生する「藍の民」の娘失踪事件の真相を探ることになる。一方、王宮に残ったカノンは、王宮で行方不明になった「藍の民」の女官失踪を探るため、護衛役のヒロクと人気騎手アナとともにノトに遅れてキーカ地方入りをする。

陛下がだだ漏れすぎる(ごちそうさまでした)。

横柄巫女シリーズ6冊目にして6ヶ月連続刊行という凄いことを始めた一冊目。今回はノトとカノンが離ればなれかと思いきや……順調に一緒に行動していました。
それぞれが互いへの想いに気付いてしまい、互いに自らと相手の立場を思って苦悩し始めてたんですが、陛下立ち直り早っというか「知るか」という陛下にキュンキュンしましたいいぞやれー。対するノトちゃんのなやみっぷりが本当にもうかわいくてかわいくて……!ぎゅっとしたくなりますね。

今回は陰謀の黒幕関係もこれまた切ないこと。あさはかなのはリリィ様だけでしたが(そして、いつも通りいい味を出しすぎて和みすぎる)、もうちょっと悪役に魅力があればなぁと思ってしまうのも事実で。これだけ重たい展開をどしんと押しつけてくるのであればそれなりに悪役にも重みを!と思いますが、このシリーズの主眼はそこにはないので(主に、陛下とノトのだだ漏れすれ違い両想いがメイン)これはこれでいいかな、と思いますが。

オディルさん関係ももっと読んでみたいなぁ、とか、本格参入した暑苦しい四文字熟語の人面白いなぁとか、アナさんの勢いの良さもいいなぁとかで続きも楽しみです。

今回の話とちょっと関係して(アナさんとかリリィ様の暴走とか)、公式サイトでリリィ様日記が公開されています。リリィ様が素敵すぎる上に隣でさわやかに甘さを醸し出していましたので是非読むとよいと思います:リリィ様日記

img横柄巫女と宰相陛下 楽園の塔
鮎川はぎの/彩織路世
小学館ルルル文庫(2010.04)
ISBN:978-4-09-452150-4
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