イリアディアスの乙女~引き裂かれた恋と琥珀の罠~ / 神埜明美

本の感想, 作者名 か行神埜明美

皇帝に喧嘩を売ったシェリスを籠絡せんと、第一皇子クラウが神殿に派遣される。皇帝より絶大な権力を与えられたクラウは神殿改革を行い、周囲に好意的に迎えられるが、シェリスの恋人と目される夜の神アストロがしばらく留守にしている間にシェリスを孤立させ、彼女を手に入れるための布石を打つ。

この幼なじみはよい幼なじみだ。本命じゃないけど。

イリディアスシリーズ第3巻。これが出たあとの動向をみるに、たぶん最近コバルトではやっている「3巻打ち切りコース」の最終巻の模様です。……でも、これで終わりと言われてもありかな、といわれる終わり方なので、まあ……。

と話が暗いところからはじまってしまいましたが、とにかくシリーズ第三巻。今回、ある意味においてシェリスに絶対絶命の危機が訪れました。いつも彼女を守ってくれていた頼りになる神はお仕事で留守、神殿内の味方もあの手この手で引き離され、と八方ふさがりな状況。タヌキジジイの暗躍や、夜の神は絶対いいところでくるに違いない!などがありましたのでいくとこまではいかないとは分かっていましたが(少女小説的に)、でも、やつのあれとかこれは正直ひいた。
ヒーロー・アストロさんよりも幼なじみ君が格好良くて切ないので(でも、こういうポジションはとても好物です)、今回はここでお腹いっぱいでした。

imgイリアディアスの乙女~引き裂かれた恋と琥珀の罠~
神埜明美/由利子
集英社コバルト文庫(2009.09)
ISBN:978-4-008-601331-4
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