夜の虹 灰色の幽霊 / 毛利志生子

本の感想, お気に入り, 作者名 ま行毛利志生子

先日の事件の関係で、父親の旧友であるエルツベルガー男爵に招かれたオリガは、男爵や彼に支援されている学生ヤコフと誼を結び、男爵が可愛がっている犬達の絵を描くことになる。しかし、絵の完成を前に男爵が何者かに殺害され、その容疑者としてヤコフがとらわれてしまう。ヤコフの無実を信じるオリガはロジオンと共に真相を探ることにする。

相変わらずロシア料理がおいしそうでよだれが止まらない。

「死んだ人の死ぬ直前を」を見ることができる少女オリガと地区警察の副署長として赴任してきた青年ロジオンのちょっと不思議ミステリー第2弾。オリガの婚約者のきっざいイギリス人弁護士アーサーも忘れちゃダメだよ!編。
前巻に引き続き、食べ物がおいしそうすぎてロシア料理をとても食べたくなったのと、女性陣が強くてたくましいところがよいです。

オリガの周りにだんだんとオリガの大事な人が増えていって、その人たちを守るために負担となる「力」を使おうとするオリガの優しさがかわいいなぁ、とオリガだまた好きになってしまいました。そして、あの人は確実にオリガに感化されている!とちょっとニヤリとしたり、ロジオンとの盟友的な関係もとても好きだ!
対して、前回うざさストップ高だったアーサーが普通にいい人に成り下がっていて(失礼)、なんだか肩すかしだったのです。あんた魚に負けてるよ……。もっとオリガには猫の如くしゃーっとしてほしかったんだけど……いえ、なんやかんやでアーサも結構好きなんですよ、私。
やっかいな「身内」の登場で、オリガ父の死の謎はまた深まるばかり。なんとも不気味な身内さんがどう動くかなど続きも楽しみです。

img夜の虹 灰色の幽霊
毛利志生子/増田メグミ
集英社コバルト文庫(2010.07)
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