海が愛したボニー・ブランシェ / 緑川愛彩

本の感想, 作者名 ま行緑川愛彩

「修道女」としてとある理由から国に保護されたボニーは、腕のいい船大工だった両親を惨殺した犯人を捜していた。事件現場を目撃した知り合いから得た情報から、青年海賊のファド・ディアスを仇と彼を追うボニーだが、本人は身の潔白を主張する。ディアスの船に乗っているとある人物の存在から、ディアスの言葉を信じたボニーはディアスに「さらわれた」ことにし、ディアスらとともに事件の真相を探ることにする。

海はロマンですね。

えんため大賞ガールズのベル部門優秀賞受賞作品の新人さん。修道女にしておくには元気すぎる少女ボニーと彼女と行動を共にすることになる海賊、そしてとある理由からねちっこくひつこくボニーを追いかける謎の騎士「伯爵」にその伯爵の上司のHentai王子のおいかけっこ物語。王子様の信念が突き抜けすぎていて、正直ちょっときもちわ(略)とか思ったのはここだけの秘密にしておきます。突き抜けてる割にはあきらめよすぎたけどな……。あと、伯爵がいろいろ不憫すぎる。ある意味、悲劇の人……。

ラブロマンあり、ボニーの持ってる力の秘密あり、海洋ロマンありと盛りだくさんで結構満足です。ただ、ちょーっと展開が早いというかいつの間にと思ってしまったところがたくさんあったんでもうちょっとページ増やすなりいっそのこと分冊するとかのほうが納得いったかも、と思うのですが……もう一目惚れだね!と脳内補完しておこうと思います。
あんまり出番はないのですが、海賊の面々も何かとおもしろい人が多くてこちらも面白かったです。ボニー、馴染みすぎ!とかちょっと笑ってしまいまいた。ボニパンはないだろう……とか思いつつ、すいません、ツボにはまりましたごめんなさい。

冒険少女小説 [1]そんなものがあるのかは分かりませんが、敢えて言うならこういう少女小説好き的なツボは的確についているなぁと感じましたので、もうちょっとじっくりコースなら次も楽しみかなぁと思います。

img
海が愛したボニー・ブランシェ
緑川愛彩/明咲トウル
B’s-LOG文庫(2010.07)
bk1/amazon

References

1 そんなものがあるのかは分かりませんが、敢えて言うならこういう少女小説好き