魔王は甘くささやく 死がふたりを分かつとも / 瀬川貴次

本の感想, 作者名 さ行瀬川貴次

海辺の学校で教師をはじめたエリザの元に、ある不気味な予言を聞き心配したジェイクが訪れる。そしてふたりは浜辺に打ち上げられた水死体を発見し、その死体に関係する怪奇事件に巻き込まれる。

まじょっこレベルがどんどんパワーアップしてる。

父の死をきっかけに、自分の隠された力に気付いたまじょっこエリザと、何のかんのと彼女をかまってしまうジェイク警部、そしてある目的からエリザをつけねらうマッド科学者(錬金術師?)ギリアンのお話。

エリザのまじょっこレベルアップぶりも面白いんですが、このお話の醍醐味は素直になれないエリザとジェイクの絶妙なやりとりですね!今回はジェイクに秋波を送る強力なライバル市警副署長の娘ナンシーが登場。エリザを明らかにライバル視しているナンシーと、何かよく分からないけどナンシーにもやもやしているエリザ、そしてそんなエリザのいらいらの八つ当たりをうけるジェイクにニヤニヤした。主役ふたりの「つん」とまではいかない嫌みの応酬がすごい好みだ。もっとやれー。

エリザをあきらめないギリアンの姑息なアレコレとついついエリザを助けるために体を張ってしまうジェイクの男前っぷりもとてもよいモノで楽しかったです。

img魔王は甘くささやく 死がふたりを分かつとも
瀬川貴次/ななみ空良
集英社コバルト文庫(2010.05)
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