アネットと秘密の指輪 お嬢様と運命の恋 / 雨川恵

本の感想, 作者名 あ行雨川恵

アネットにかけられた「反逆の疑い」をかわすためにユージンが取った行動は、ユージンがアネットに求婚するというものだった。リチャードを護るためにはこの話に乗るのが一番と揺れるアネットにリチャードはユージンとの結婚を勧める。そしてアネットが選んだ行動は……

ユージンに幸せに……なってほしい……。

シリーズ8冊目の最終巻。最終刊はミステリー分というか陰謀分が全くなくて、「お嬢様と執事の恋、どうなる!」だけに焦点が当てられ大変濃い物語でした。中盤までリチャードがまだ悩むかっ!と後ろから回し蹴りをしたい程 [1]もちろん比喩表現の執事の鏡だったんですが、吹っ切れた彼の取った行動に、ああ、満足。腹をくくってユージンに宣言するアネットの姿は格好良く、そしてヘタレ街道ばく進するかと思われたリチャードから最後のあそこに至るまでの過程が本当に満足なのです。最後まで読んでいて良かった。

今回の敢闘賞は、アネットの親友シャーリーでしたね。最後まで(女友達的に)よいツンデレでした。そして、全般的にローズウォール三兄弟妹の活躍が光っていたように思います。このお兄ちゃん、(個人的に)おいしすぎる……!初登場の時から妙に存在感があるお兄ちゃんでしたが、お兄ちゃんの嫁取り物語とか合ったらちょっと読んでみたいくらい気に入りました。ユージンはユージンでいい人すぎるので、本当に幸せになってほしいです。最後までアネットの幸せを第一に行動していた彼に、幸あらんことを。

imgアネットと秘密の指輪 お嬢様と運命の恋
雨川恵/風都ノリ
角川ビーンズ文庫(2010.012)
bk1/amazon

References

1 もちろん比喩表現