シスター・ブラックシープIII 薔薇と聖歌 / 喜多みどり

本の感想, 作者名 か行喜多みどり

無理やり結婚させられた悪魔(現在主に猫型)との離婚のため、【黒い羊】として夜な夜な善行に励む男装の助祭コンスタンティン。しかし、ある日コンスタンティンの預かりしれぬところで【黒い羊】の偽物が現れ、捕らわれた上に処刑されてしまうという。なんとか偽物を助けようとするコンスタンティンだが、ユリエル司祭の疑いの目も厳しくなりなかなか自由に行動できなくなってきて……

ヒロインはユリエル。

男装のオトコマエの助祭コンスタンティンと、彼女を花嫁にするために迎えに来た悪魔、そして悪魔を追う普段はいい人の司祭ユリエルの織りなす緊迫感に満ちた三角関係ファンタジー。
このシリーズは明確にこの人悪役、絶対悪役ラスボス!という人がいなくて、今のところ(利害関係で)味方になったり敵対したりと、勢力図が不安定なのでスリルに満ちていて面白いです。そして、かっこいい領主様とか恋する乙女とか恋する司祭様とか……、本当に、司祭様はヒロインの座を不動のものにしましたね!

エリカのポジションがすごく好きです、エリカちゃんがんばれ。ユリエルからコンスタンティンを守ろうとあの手この手のエリカかわいい。そしてちょっとずつ人間くさくなってきた悪魔もかわいい。物語の落としどころが見えないだけに、続きも楽しみ。

imgシスター・ブラックシープIII 薔薇と聖歌
喜多みどり/桐矢隆
角川ビーンズ文庫(2011.02)
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