紅き神へのオラティオ 聖五騎士と祈りの花嫁 / ゆきの飛鷹

本の感想, 作者名 や~わ行・他ゆきの飛鷹

片田舎で宿屋の娘として平凡な毎日を送っていたラキシュだが、夢の中で見知らぬ男性から手にキスをされ、人を癒す力を手に入れたため神殿に「神の花嫁」として迎えいれられる。ラキシュを守るのは、聖五騎士と呼ばれる武芸、教養に秀でた五人の騎士達。立派な神の花嫁となるべくがんばるラキシュだが。

はじまったばかりのせいか、なんだかだいぶ物足りなかった。

ほぼ作者さん買いしかしてないアイリスの他の作品も買ってみるか!と買ってみた一作。あらすじとか読んでいたら、「聖五騎士」におっさんいるしこれは面白そう……とか思ったとかいうところもありますが、そんなこんなでシリーズ一作目(かどうかは分かりませんが、とにかく一冊目)。

ラキシュの前向きにがんばる姿や、聖五騎士のなかでもたぶんこの子がヒーローだろうな、と思われるカルシェナの四角っぷりとラキシュに見せる心遣いや、聖五騎士の紅一点リモンとラキシュのやりとりがかわいかったりと要所要所は少女小説的に面白かったんですが、全体的に非常に薄味で、個人的に物足りないのが残念です……。陰謀方面も盛り上がることはもりあがるし、ラキシュにあたえられた力の謎もなるほど、そういうことかと思えたのは良かったんですが。神殿関係も薄いしなぁ。

さらっと読めるのでそこはいいとは思うんですが、もうちょっとがつんとした部分がほしかったです。続きが出て掘り下げられるとまた違ってくるのかも。

img紅き神へのオラティオ 聖五騎士と祈りの花嫁
ゆきの飛鷹/みずのもと
一迅社アイリス文庫(2011.02)
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