アルケミストの誓約 白金の王女の恋物語・黄金の騎士の恋物語 / 栗原ちひろ

本の感想, お気に入り, 作者名 か行栗原ちひろ

2年前の<数秘戦争>で英雄的な活躍をしたものの、敵前逃亡したウィルは、亡命先でのらりくらりと生きていたが祖国の姫君の逃亡を助けるというやっかいな仕事を請け負ってしまう。当の姫君・アンジェリンは自身が錬金術師であり、殺された従者を蘇らすために錬金術に必要な材料を求めて遺跡に行きたいらしく……

箱入り王女+元英雄+毒舌幽霊従者の見事なコンビネーション。面白かった!

世界平和のために世界征服を目論んでしまうほどちょっとずれている王女様アンジェリン、小説家かつ楽隠居希望の元英雄ウィル、そして王女様を手玉に取ろうと思ってたくせに本気で王女様に恋して幽霊になった後も王女様に付き従う従者エルネストが戦後世界でとある陰謀に巻き込まれるお話、前後編。
いやー、これは二冊まとめて読んで良かった!王女様がかわいくてかわいくて、もう終始ごろごろしっぱなしでした。国のために、世界のために、そして何より大切な人のために一生懸命な様子が本当にかわいくてかっこいいのです。対する騎士も、ふだんへらへらしているのにキリッとかっこよかったりして、このギャップがたまらない。従者の恋心も、王女様の恋心も、そしてだめだなぁと思いつつも王女様に引かれていく騎士もどの想いも素敵で、切なく、そして健気でした。

悪役方面は、破壊願望というかそこらへんがなるほど栗原さんっぽいなぁと思ってしまいまいた。特に彼女の壊れ方は、なんというか、栗原さん(としかいいようがないわ!)。この世界オリジナル風味の錬金術や数秘術の仕組みやなにやらも興味深く、面白かったです。そしてなによりあのラストが大変好みなんですよねぇ……。いいお話読みました!

imgアルケミストの誓約 白金の王女の恋物語
栗原ちひろ/池上紗京
B’s-LOG文庫(2011.02)
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imgアルケミストの誓約 黄金の騎士の恋物語
栗原ちひろ/池上紗京
B’s-LOG文庫(2011.03)
bk1/amazon