橘屋本店閻魔帳 恋がもたらす店の危機! / 高山ちあき

本の感想, 作者名 た行高山ちあき

家業を継ぐことを決めた美咲は、先日酉の分店の査察にきた本店の御曹司で婿入りするかもしれないという・弘人の事が気にかかって仕方がない。しかし、弘人には他の婿入り先候補がある上に、弘人の実母で橘屋の取締役でもある高子にこれ以上弘人に近付くなと釘を刺されてしまう。弘人への想いを封印することにした美咲は、妖のトラブル解決のために店のスタッフと調査に乗り出すが……

弘人にライバル出現!(ただし相手になってないような気が)

人間世界と妖怪世界の秩序の維持を担うコンビニチェーン店・橘屋を舞台に繰り広げられるあやかしラブロマンス第二弾。
いい感じになったかも!というところで終わった前巻に引き続いて、美咲と弘人の微妙な関係が傍目には微速前進、心情面では急加速したお話でした。これ、ちょっとだけお色気路線で進むんかーと思いながら読んでしまったのですが、今回初登場した弘人のライバルポジションの彼、結構いい位置にいるなぁ。いやいい位置といえば、お店のスタッフふたりもかなり好きなんだけど。

前回とは違い、今回の悪役はザッツ悪役という妖怪さんだったので、事件解決の折にはすかっとしました。前回のようなお話もいいけど、今回のような悪役も爽快感では捨てがたいです。そして、とある理由から美咲はこれからも引き続き「狙われ」ることは確実で、弘人が選んだ選択肢は読者期待通りの展開だと思います。こういう展開は結構好きなので、続きも楽しみだ。

img橘屋本店閻魔帳 恋がもたらす店の危機!
高山ちあき/くまの柚子
集英社コバルト文庫(2010.09)
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