白翼のマリアージュ 天使は愛を唄う / 沢城利穂

本の感想, 作者名 さ行沢城利穂

天使と悪魔のハーフのミーシャは、両親亡き後母の相棒だった天界の鳥・ランクーとふたりで天界と魔界の中立地帯ネウテラで暮らしていた。ある日、エリート天使三人組にミーシャは無理やり天界に連れて行かれる。なんでもこの三人はミーシャの花婿候補らしく、ミーシャは出生率が下がり続ける天界の希望の星だとかで……

天使3人+悪魔1人。勝者は……?

山下さんのイラストかわいいな、あらすじも面白そうだし読んでみようかなと思った一冊。天使とか悪魔とかの単語から剣と魔法のファンタジーかと思って読めば、マシンガンとか情報端末とか自動ドアとかそんな単語がでてくる(個人的に)カオスな世界だった……!

ミーシャを巡って争うのは、超エリート天使3人に後半は悪魔も1人。結構みなさん濃いキャラクターなんですが、いかんせんこれだけではちょっと全体的に薄目かな、というところがもったいないです。前後編とかでじっくりやった方が好みかな。個人的には天使の中では学者肌の彼、悪魔も入れたらダントツで悪魔推しだけど悪魔の出番がちょっと少なくて残念。しかし、天使達に反発しながらも「薬草作り」に一人執念を燃やし、そして釣られるミーシャがかわいかったです。

しかし、かわいいお話と思ってたのに途中途中で妙に生々しい描写があったりとか、産卵産卵!と連呼したり、そもそも冒頭の登場人物紹介に盛大な誤植があるのにちょっとテンションが下がりかけてくじけかけました。よくよく調べてみると、作者さんがBLがメインのひとなんですね……納得。これを知ってたら生々しいところはこんなものかな?と思いながら読めたかもしれません。

img白翼のマリアージュ 天使は愛を唄う
沢城利穂/山下ナナオ
一迅社アイリス文庫(2011.01)
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