陰陽カフェのおもてなし / 片瀬由良

本の感想, 作者名 か行片瀬由良

藤森神社に新たに持ち込まれた事件は、持ち主が次々と凶事に巻き込まれるという刀・蘇芳丸の取り扱い。九十九神となった蘇芳丸は、過去の心残りから鬼となりかけているらしく、なんとか彼の心残りを解消しようとカフェのメンバーは奮闘する。

アップルパイおいしそうだなこれ。

式神遣いの女子高生・紡葉と彼女に使役される式神たちのドタバタカフェ生活+鬼関係のトラブルを描いた第二作。いわゆる悪役というのがいなくて、モノノケたちの悲しい想いを昇華し、解決していくちょっといい話系のホッと読めるシリーズです。
主人公で新人の狛朧のワンコな懐き方と、なんやかんやでカフェに順応して、客に出すアップルパイを作るまでに成長した姿にまったりとしました。狛朧が紡葉を食べるぞー食べるぞー(文字通りの意味で)とアタックかけるものの、なんのかんのとゴロゴロしてしまっているこの距離感がいいですねー、和む。

カフェの仲間達もいい味を出していて(特に、今回は前回の予告通りオジサマがおいしかった)、このチームワークがいいなぁとおもいながらほのぼのと読めていいお話しでした。次はもうちょっとがっつり学生生活を読んでみたいです。

img陰陽カフェのおもてなし
片瀬由良/ねぎしきょうこ
小学館ルルル文庫(2010.04)
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