東方妖遊記 揺らぐ絆と第六の試練 / 村田栞

本の感想, 作者名 ま行村田栞

荒廃する国の現状を伝えようと、兄・瞬の反対を押し切り殷王への正月の謁見に向かうために王都に向かった晄は、幼い子どもたちが晄が滞在する屋敷の蔵から食料を盗む現場に遭遇する。その少年たちを追った晄は、様々な人が住み着いている不思議な土の城にたどり着き、そこで晄そっくりな医者・紫央に出会う……

チャウかわいさが反則の域に達しました。

殷を舞台に、妖たちと誼を通じ、国の現状を改革しようと奮闘する少年領主・晄の奮闘物語第6巻。今回は前々から提示されていた晄の出自がはっきりくっきり明らかになり、本人もそれを知ってしまってさあどうする……というお話でした。

と、話の本筋は着々と進んでおり、周辺諸国の侵攻に殷王にとりついた災厄をもたらす「あのお方」の復活は近いしといろいろ盛り上がっているのですが、いやそれよりも!チャウのかわいさが異常。ラスト近くは読みながらデレデレしてしまいました。小動物にくわえて、あんな反則技まで……!

そういえば、今回鬼方軍との話が進むのかと思えば、途中でそれどころじゃなくなり、最後はそういえば鬼方とはどうなったの?と思わず確認してしまう程度に今回カタがついておりません。かなり緊迫した状態が引き続いているので、次も楽しみだなぁ。がんばれ王子様。

img東方妖遊記 揺らぐ絆と第六の試練
村田栞/伊藤十明
角川ビーンズ文庫(2011.06)
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