鬼舞 見習い陰陽師と御所の鬼 / 瀬川貴次

本の感想, お気に入り, 作者名 さ行瀬川貴次

陰陽師を目指して地方から都にやってきた道冬は、とあることから陰陽寮の学生・憧れの人安倍吉昌に気に入られ、なにかれとなくかまわれる。それが原因で他の学生からねたまれ、悪質ないたずらの罠にはまってしまった道冬は……

付喪神と幽霊がかわいすぎるんですがどうしましょう。

さくっと読める、安倍清明の孫世代が舞台の平安時代陰陽師(見習い)もの。吉平・良昌の兄弟っぷりが個人的には大変おいしゅうございました。吉平、恐ろしい子……(それ、違うシリーズ)。

今回は物語のはじまり、ということで各人の立ち位置と物の怪関係の事件を一件さくっりと。道冬のがんばりかげんと初々しいところはかわいいし、なにやら秘密がありそうでそこらへんの謎解きも期待したいです。そして道冬のにいや的存在の行近は腹黒そうで今後が楽しみだし、安倍さんとこのご兄弟もなかなか素晴らしく、そして道冬の大家さんも大変おもしろそうで……登場人物は総じて好みでとても面白かったです。さらに、道冬の借りることとなった化け物屋敷が、これまたいいですね。畳が妙にかわいくてちょっと困るんですが、どうすればいいでしょうか。今後も畳の活躍に期待していきたいところです。

img鬼舞 見習い陰陽師と御所の鬼
瀬川貴次/星野和夏子
集英社コバルト文庫(2010.11)
bk1/amazon