風の王国 山の上の賢者 / 毛利志生子

本の感想, 作者名 ま行毛利志生子

ラセルの花嫁選びを終え、ようやくヤルルンに戻った翠蘭は、久しぶりにあったラセルとイェルカの成長を喜ぶが、イェルカの行動にとまどいも覚えた。そして、リジムの葬儀のため、ラサに建設中の寺院の建設の指揮を大王から任された翠蘭は、休む間もなく、ラセルを連れラサに向かった。

プロジェクト:仏教寺院をラサに建てるよ!

最初は少女小説だったのに、中盤から少女小説というより翠蘭の一代苦労物語というか、翠蘭の吐藩見聞録になっている風の王国最新刊。今回は、(このシリーズを読む前から知っていた数少ないトピックである)有名な文成公主ネタ(仏教寺院作った話)が本題。ちょっとワクワクしながら読んでしました。

そんなわけで、仏教寺院建築プロジェクトの一冊。いろいろ問題がおきて、それに次々と対処していく様子を読むと、お仕事小説を読んでいるようです(笑)。もう甘さとかそういうところは超越していて、この翠蘭のお仕事っぷりが楽しい。今回は珍しく(まだ)死人がでてないのと、そしてタイトルにもなってる賢者殿がかなりおいしい感じでのほほんと読んでいたんですが、でも最後にもたらされた報がこれまた不穏でどうなるのか心配だなぁ。

img風の王国 山の上の賢者
毛利志生子/増田メグミ
集英社コバルト文庫(2011.07)
bk1/amazon