ロクサナと麗しの花婿たち / みどうちん

本の感想, 作者名 ま行みどうちん

ロクサナは「女権国」であるメフルダート女王国の世継ぎの王女だが、価値観のまったくちがう隣国で育てられたため「女尊男卑」の女王国の慣習に慣れないでいた。ロクサナの誕生日に行われるという、ロクサナの正夫の座を賭けて戦う武闘大会のために、ロクサナは「後宮」におしこめられてしまう。花婿候補達から逃げ回るロクサナは、そこで女王国の男にはあるまじき「女男」(他の国でいう男らしい男)のアズハルに出会う。

ヒロインが若干HENATAIさんとか、新境地。

前作もどことなく「変」だった作者さんの2作目。男女の価値観が、「女はひたすら強く、男は女に守られる」といういわゆる普通と「全く反対」の国を舞台に、「普通の国」で育てられた王女様が王女としての自覚に目覚め、そして恋をも成就させようという、前作に引き続きテンション高めのお話でした。
王女様がちょっとHENTAIさん(虐げられて喜びを感じるとか、アズハルの寝顔に興奮するとか)なのが、新鮮かつ面白かったのですが、ですが……ちょっと引いた。全体的にすごく極端で、ちょっと乗り切れなかった所があるんですが、その極端さを主人公が乗り越えて行こうとするお話なので、極端すぎるのもあり、なのかな。男前の女王さまの娘へのツンデレなところは素敵です。

imgロクサナと麗しの花婿たち
みどうちん/くまの柚子
小学館ルルル文庫(2011.09)
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