聖グリセルダ学院の卒業 / 鮎川はぎの

本の感想, 作者名 あ行鮎川はぎの

キアスの兄である王太子クラウの爆弾発言により、学院を舞台にクラウの公妾選びが開かれることになる。主家の命でティエサは選考会に出なければならないが、学友達と共に選考会を中止させるために動き出す。一方、キアスは独自にクラウの動きを探ることにするが、クラウの元には意外な人物がいた。

えらくきれいにまとまった最終巻でした。

暗殺者の卵ティエサが「普通者」になるべく学院で普通のふりをするが、内乱がおわったところの国ではそうもうまくいかなくて…というお話最終巻。
学院のために、友のためにと団結して立ち上がる「戦乙女の会」はよいですね!頑張る女の子と女の子の友情はよいものだ。そして、なんやかんやとティエサを見守るキアス君の気苦労というか、男前っぷりが頼もしかったです。

シリーズを通して非常の楽しめたことは確かなのですが、学校が舞台のせいか、最後の最後は陰謀面でちょっと(というかかなり)物足りない閉め方だったのが残念かな。途中、もっと話が広がるかなっていうところもあったんですが。そして最後の後日談、個人的には後日談がとても好きなので大変おいしく頂きましたが、予想外にカップル大製造でそこまでのサービスは要らなかったかも!と思ったりとかなんとか。いえサービスなんでいいとは思いますが!

絶え間なく刊行が続いて、どんどん続きが読めるのもいいことですが、もうちょっとじっくりお話を進めていただいて十分楽しめる作家(コンビ)さんだと思いますので、次シリーズはもうちょっと煮詰めたお話が読んでみたいかなぁ。

img聖グリセルダ学院の卒業
鮎川はぎの/凪かすみ
小学館ルルル文庫(2011/09)
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