夢の宮~古恋鳥~ / 今野緒雪

本の感想, 作者名 か行今野緒雪

十年前に結婚の約束をした鸞王である蒼鷹のもとに嫁いだ萃の王女瑠璃だが、蒼鷹は十年とは別人のように変わっていた。恋愛結婚だと言い張る瑠璃に対し、あくまでも政略結婚だと突き放す蒼鷹。蒼鷹の心変わりには王家のある秘密が隠されていた。

これは悲恋か、悲恋なのか!といろんな意味でドキドキしながら読んでました。

夢の宮、三つ目のシリーズ。小さい頃の約束を胸に嫁いだら相手がけんもほろろでどうしてくれよう!その真実やいかに!というお話でした。

悲恋で終わらないと信じてるけど悲恋しかないような展開の連続、主人公二人に課せられた運命も重たいけど、周囲の人々の悲しい物語も切なく、どんよりしながら読んでいました。いろんな事実の断片がミスリードを誘いつつつ真実に近づいて行くところは鉄板ですごくおもしろかったんですが、いかんせん、こう、どんよりしがちな題材でなんというか。それを補って余りある面白さであることは確かです。

そして、今まで三シリーズ読んでみて、このシリーズは男性側がヘタレなんだな!と妙な認識が植えつけられてしまっています。はたして、この認識を覆すヒーローは現れるのか!他のも楽しみです。

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夢の宮~古恋鳥~(上/下)
今野緒雪/かわみなみ
集英社コバルト文庫(1995.1/1995.3)
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